Savon de Siesta (サボン・デ・シエスタ) 附柴彩子さん

附柴彩子さん

附柴彩子さん。手作り感を大事にした固形石鹸を中心に、関連製品ほぼ全ての商品開発から製造、PR、営業、販売までを起業家さながらに全てこなす。本当はゆっくりと新しい商品を1人で考えている時間が何よりも楽しいというが、今は事業を立ち上げるために忙しい日々を送っている。

使う人にココロがホッとする時間を届けたい」と、語るのは手作り石鹸 Savon de Siesta (サボン・デ・シエスタ)の附柴 彩子(※)さん。オリーブ油などの植物油を原料に、非加熱でゆっくり40日かけて完成する石鹸は、彼女の人柄同様ぬくもりと優しさを感じる。
ルイ14世の時代からマルセイユで行われていた製法を札幌で再現したことは、その両都市が同じ緯度に位置することと何か関係があるのだろうか。

彼女は市販の石鹸で肌が荒れたことをきっかけに、化粧品の成分や作り方を独学で学び始める。当時は大学の研究室で高分子や界面活性剤を研究する学生であった彼女、趣味の石鹸作りは日々の実験よりも楽しかった。気がつくと、化粧水やスキンクリーム等、自分で作ったものばかりを使うようになった。大学院卒業後、製薬会社に勤務してからも、休日にはたくさんの石鹸を作った。それをプレゼントした友人から使い心地を喜ばれることで、仕事の疲れを忘れた。

子どものころは千葉、茨城のつくばと移り住み、男の子たちと一緒に野山を駆けまわって育った。自然環境に恵まれた憧れの北海道で化学を学びたいと願い、父の母校でもある北海道大学に進学、10年前に札幌に移り住んだ。そうして、大学院卒業までの6年間を札幌で過ごした後、就職のために一旦は札幌を離れた。しかし、どこにいても思い出すのは札幌での生活だった。街の規模も、生活のリズムも、四季がハッキリしている自然環境も、そして、そこで暮らす人々も、全てを包括した札幌のライフスタイルが彼女にしっくりし、そして落ち着くのだ。「札幌は第2の故郷なんです、徳島にいたときも、京都にいたときも、まとまった休みのたびに帰ってました」という彼女。札幌転勤の予定があったものの待ちきれず、仕事をやめて戻ってきた。その後、結婚した相手が、学生時代からのパートナーであったGEL-Design社創業者の附柴裕之さん。

「石鹸づくりを仕事にしようと決めたとき、これまでの全てがつながったんです」、という彼女。何かを作ったり、誰かにプレゼントをしたりするのが何より好きで、札幌で働きたかった。こうした気持ちと、学生時代の勉強、製薬会社での経験、独学で取得したアロマアドバイザーの資格が、1つの夢に向う道としてつながった。

北海道には有用な天然素材が豊富にある。これらを活用して肌にも環境にも優しい基礎化粧品をつくり、多くのお客様に安心して使ってもらうことが彼女の目標。そして、原料産地で暮らす人々と、自分たちつくり手と、お客様との良い関係を育てたいという。こうした願いが込められた彼女の作品ともいうべき石鹸のファンは、着実に増えている。

(2007年6月22日・柴田次郎)

※2014年1月1日より、株式会社Savon de Siestaの代表取締役社長として活躍している。

(2014年2月・所属を修正更新)

※この記事は、2002年12月から2010年3月まで運営された「ウェブシティさっぽろ」内の「さっぽろの横顔」で紹介した記事を転載しています。

公式サイト
Savon de Siesta
 Siesta Labo. (Savon de Siesta取扱店、代表:附柴彩子)

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Savon de Siesta (サボン・デ・シエスタ) 代表取締役 附柴裕之さん

 

棚に並ぶ石鹸
天然オイルに苛性ソーダを加えて非加熱で作る石鹸は、風通しの良い乾燥棚で40日以上熟成して完成する。製品はもちろんのこと、その製造に使っている型や乾燥棚も自分たちの手作りで作ったものを使っているという。

小豆石鹸
十勝の小豆の粉末を使った石鹸。「サボン(石鹸)」を語源とするサポニンという成分が毛穴をすっきり洗い上げるため、男女ともに人気を得ている売れ筋商品。美容に気をつけていた昔の女性が、小豆の粉末を木綿袋に入れて洗顔に使っていたということをヒントに開発した。

石鹸
優しくしっとりした洗い心地の秘密は、天然オイル成分を100%けん化させずにオイルのまま残していることと、副生成物の保湿成分(グリセリン)を取り除かずに置くこと。香り付けも天然素材のみを使って最小限に抑えている。